聖クララ,与那原カトリック教会,花ブロック
沖縄(琉球王国)におけるキリスト教の伝来は、17世紀初頭とされています。

現存する文献記録によれば、1624年、石垣島の宮良某が西洋人(カトリック神父)と接触。それを理由に、キリスト教の教えを聴き洗礼を受けたとの罪で告訴され、火刑に処されたといいます。

沖縄とキリスト教の最初の出会いは、殉教という悲劇的な出来事だったという驚き。

その後、黒船来琉、琉球処分、沖縄戦と激動期の中、紆余曲折ありながらも沖縄とかかわり続けたキリスト教。

現在、沖縄には、登録されるものだけでも269の教会・伝道所があるそうです。

さて、前置きが長くなりましたが、今回ご紹介したいのは、与那原町にあるカトリック与那原教会(聖クララ教会)。

聖クララ,与那原カトリック教会,マリア像
マリア像


 

沖縄がまだ戦争の痛手から立ち直る途上にあった1958年、太平洋をのぞむ小高い丘に、アメリカの宣教師たちが教会を建てました。

それが聖クララ教会です。(設計は、アメリカの建築設計事務所SOMの監修のもと片岡献さんが行ったとされています)

ちなみに、モダニズム建築の保存を目指すドコモモジャパンの日本近代建築選に沖縄で初めて選ばれた教会で、信者以外にも建築ファンなどが多く訪れるとのこと。

僕自身もかねてより興味のあった教会ですが、某日初めて足を運びました。

聖クララ,与那原カトリック教会,ドコモモのプレート
ドコモモのプレート

沖縄本島を南下する国道329号線の直線道路の終点、与那原交差点の丘の上に教会は建っていました。

地域のどこからでも見えるこの建物は、まさに与那原のシンボルといった風情をただよわせています。

与那原警察署の脇をまっすぐ入っていくと教会併設のクララ幼稚園がありその横に教会に向かう石段がありました。

石段を登り切ると目の前に教会が現れます。

聖クララ,与那原カトリック教会,329
国道329号から見える教会

道路を走っている際の目に飛び込んでくるような迫力とはうらはらに、近くで見ると実にこぢんまりとした素朴な教会です。

屋根は中央がくぼんだ、バタフライ屋根で(蝶が羽を広げた形をしていることから、バタフライ屋根とよばれるそう)、どこか安らぎをおぼえました。

陽差しがきつい建物の西側面には穴あきブロックを施して日射を遮蔽しています。

このブロックは『花ブロック』と呼ばれ、多彩なバリエーションがあり、沖縄のブロック造の特徴となっています。

聖クララ,与那原カトリック教会,
聖クララ教会外観

教会玄関から内部へ入ると、草木がみずみずしく咲き誇る中庭があり、芝生にどっしり根付いた木は青々とした葉を風に揺らしていました。

中庭はグルッと一周できるようになっていて、入り口から数段上がって礼拝堂へ。(中庭と回廊を隔てる花ブロックはタテ使いとなっていて、外部と表情を変えていますよ)

聖クララ,与那原カトリック教会,花ブロック
回廊と中庭をへだてる花ブロック


 

礼拝堂内部はすごく明るかったです。

この教会の特徴はモダンなステンドグラスの開口部。

スチール製のモダンなサッシュの中にステンドグラスが組み込まれ、きちんと通風も取れるようになっています。(ここからは与那原の町が一望できますよ)

聖クララ,与那原カトリック教会,ステンドグラス
スチール製のモダンなサッシュとステンドグラス

また、地域性を考えてなのか畳式と椅子式の座席の両方があるのも特徴的です。

僕はクリスチャンではありませんが、そんなことは関係なく、本当にほっとする癒し空間でした。

聖クララ,与那原カトリック教会,畳
畳と机

オキナワンモダニズムともいうべき温かなデザインの素晴らしさはもちろんですが、そこを取り囲む清楚な雰囲気と人々に大切にされてきた感じがうかがえる聖地としての教会のあり方も印象に残りました。

とても素敵な空間です。

みなさんも一度たずねてみてはいかがでしょう。きっと心洗われるひとときになりますよ。

教会の関係者にお願いすれば基本的に見学は快く許可していただけると思います。

ただし、祈りのための場所だということはくれぐれもお忘れなく。