奥武島
奥武島から沖縄本島を眺める

奥武島(おうじま)。

沖縄には、そう名付けられた島がいくつもあります。

「奥武島」と名付けられた島のほとんどが、海岸すぐ近くにあるのですが、実は、いずれの島も、かつて死者を弔った場所だそう。

実は、いにしえの沖縄では、人が死ぬと海岸のすぐ沖の小さな島に船で遺体を運んで、洞窟へと安置する葬送の習慣があったといいます。

『古代人は安らかで満ち足りた世界が神の世界であると観じ、こうした世界を色に例えれば<青>であるとし、その観念にふさわしい場所を<青(オウ)の山><青(オウ)の島>などと名付けたと考えられる』(沖縄大百科事典より)

とのこと。

なるほど、それで奥武島という名前の島がいくつもあるのですね。



 
前置きが長くなってしまいましたが、今回ご紹介したいのは、南城市玉城(旧玉城村)にある奥武島。

奥武島はその由来が由来だけにほとんどが無人島なのですが、玉城の奥武島には、なんと約1000人もの人が住んでいます(面積0.23㎢)。

奥武島,南城市玉城
奥武島遠景

さて、梅雨が明け、ほぼ毎日真夏日の7月某日、奥武島へ向かいました。

島とは言っても沖縄本島とは橋(約100m)で結ばれているので車で上陸します。

まずは約1.7kmしかない島の周囲を車でゆっくり回りました。(1990年代初めに完成したという一周道路は、普通に回れば5分ほどで一周できます)

真っ青な海と空。

梅雨明けの沖縄の景色は最高でした。

ちなみに島の西側はスクーバダイビングスポット。

穏やかな海況であることが多いため、他のポイントで海況が悪くて潜れない場合でも奥武島では潜れることが多いそうです。(初心者や講習者も多く訪れるとのこと)

島を一周した後は、橋を渡って正面にある中本鮮魚店へ。

実はここのてんぷらが格別で、休日には行列ができるほど。

沖縄てんぷら,中本鮮魚店,奥武島,南城市玉城
中本鮮魚店

沖縄では、てんぷらをおやつ代わりに食べるのですが、庶民に愛されるファストフードの王様と言っても過言ではありません。(沖縄のてんぷらは衣が厚いのが特長で、何もつけずに食べます。)

小腹のすいていた私は、奥武島のきれいな海を見ながらてんぷらを堪能。

ちなみに、てんぷらの種類は、さかな・もずく・アーサー・イカ等々で値段は各々65円。

個人的なおすすめは、グルクンのてんぷら(100円)とあげパン(125円)です。



 
おやつの後は、島を散策。

港ではたくさんのイカが洗濯物のように干されていました。

干されたイカ,奥武島,南城市玉城
干されたイカ

その横の東屋ではウミンチュ(漁師)の男性たちが作業しながら談笑中。

港近くの集落へ入っていくと集落内の道は迷路のように入り組んでいます(島の中央は小高い丘になっています)。

日差しも強くとても暑い日だったので大汗をかきましたが、細いスージー(脇道)を徘徊するのは探検のようで楽しかったですよ。

昔ながらの赤瓦の家を眺めたり、島の小学生やおばあと挨拶を交わしたり、おしゃべりしたりと、出会いの楽しさもありました。

観音堂,奥武島,南城市玉城
観音堂

最後は、島の中央にある観音堂と拝所に。(この観音堂は17 – 18世紀頃に漂着した唐船の乗組員を島の人が助け、手厚く看護したお礼に贈られた観音像を奉った堂だそう)

しっかりと参拝した後に島を出ました。

さあ、那覇空港から約40分で行くことができる奥武島。ドライブ途中に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

休日にはカップルや家族ずれで賑わいますが、平日はのどかでのんびりした島ですよ。

ちなみに、旧暦5月4日(5月末 – 6月下旬)には海神(うんじゃみ)祭とハーリ(爬竜船競争)が行われていますのでこれに合わせて行くのもいいかもしれません。ぜひ一度奥武島へ。

おまけ

最後に、2012年写真展『わたくしの痕跡』より、奥武島で撮影したモノクロ写真を2枚掲載します。

奥武島,海神祭,中学生男子
2012、奥武島、海に飛び込む中学生たち

 

奥武島,観音堂,拝所,南城市玉城
2012、奥武島、観音堂となりの拝所